ページ内目次
プロパンガスと都市ガスの違い
都市ガスとプロパンガスは、供給方法が異なります。
都市ガスは地下のガス導管から供給されるのに対して、プロパンガスはボンベから供給されます。
都市ガスの利用者が地方よりも都市部に多い理由は、導管の設置費用が関係します。
設置には膨大な費用がかかり、人口の多い都市部をターゲットにした方が、地方よりも効率的に資金が回収できるためです。
プロパンガスは、一般的にLPガス(Liquefied Petroleum Gas)と呼ばれていますが、実際は意味が異なります。
LPガスは『液化石油ガス』を意味しており、液化石油ガスの種類としてプロパンがある、という関係性です。
LPガスの種類には、工業用の燃料・都市ガス用の原料として使用されているブタンガスや、ブタンガスにプロパンガスを混ぜてタクシーなどの自動車用燃料として使用されているオートガスがあります。
LPガスは空気の約1.5倍の重さがあり、漏れると低いところや物かげに溜まる性質があります。
万が一ガス漏れを起こした際には、下方の風通しを良くして、ガスを屋外に出しましょう。
また、本来の臭いは無色無臭ですが、ガス漏れを発見しやすいようにタマネギの腐ったような臭いが付けてあります。
臭いの成分が燃えると無臭になるため、正常に使用している限り臭うことがないので心配ありません。
全国対応で最短即日対応
プロパンガスのメリット
ここでは、プロパンガスのメリットを紹介します。デメリットも理解した上で、効果的に使用しましょう。
熱量が高い
1㎥あたりの熱量を比較すると、プロパンガスは都市ガスよりも約2.2倍高い数値です。
同じ炎の大きさで料理をする場合、ガスの量が都市ガスの半分ほどで済む計算になります。
ただし、火力の強さが2倍と感じるのは、同じガス器具を使用した場合に限られるため、一般家庭向けの設備では火力の違いはあまり感じられないかもしれません。
災害に強い
都市ガスはガス管が破損すると復旧に時間がかかりますが、プロパンガスは破損があった部品が交換できれば、利用を再開できます。
また、プロパンガスは基本的に2本セットでボンベを設置しているため、1本目のボンベが空になっても2本目を使用できます。
2011年に発生した東日本大震災で被災した県では、都市ガスの全面復旧が5月3日だったのに対して、プロパンガスは4月21日と約2週間ほど早い結果となりました。
設備の無償貸与が可能
給湯器や無償貸与(エアコンやインターホン)を導入する場合は、プロパンガス会社が立て替えてくれることが多いので、費用がかかりません。
ただし、実際には毎月のガス料金に上乗せされて請求されるため注意が必要です。
また、ガス料金に設備の無償貸与分が上乗せされることについてトラブルがあることが問題視されていたため、経済産業省側で法令の改正がが行われる予定となっています。
改正法案では、電気エアコンやWi-Fi等、LPガス消費と関係のない設備費用のLPガス料金への上禁止など、これまでプロパンガス屋がサービスとして行っていたことが禁止となる方向で検討されています。
2025年の春頃に改正法案の施行予定なので、今後は設備の無償貸与は難しくなる可能性が高いです。
関連ガス給湯器の無償貸与とは?プロパンガス屋が無料設置する理由
利用可能なエリアが広い
プロパンガスは、ガスボンベやガス管、ガスメーターが設置できれば、全国どこでも供給できる分散型エネルギーです。
都市ガスと比べるとプロパンガスは供給エリアが広く使い勝手が良いです。
プロパンガスのデメリット
次にプロパンガスのデメリットを紹介します。
価格が高い
プロパンガスの料金は、ボンベの配送や人件費がかかるため、都市ガスに比べて約1.8~2倍ガス料金が高くなる傾向にあります。
都市ガスは2017年に自由化されるまで、公共料金として安い金額で使用されていました。
一方、プロパンガスはガス会社が自由に料金を設定できることが現在でも料金が高い原因として考えられます。
設置に場所をとる
ガスボンベは、設置に場所をとります。
また、設置条件も決められているため、注意しましょう。
風通しの良い屋外、車両など損傷を受けない場所に設置するなどの条件が設けられているため、環境的にプロパンガスに切り替えできないお宅があることはデメリットになります。
料金が不透明
前述したように、プロパンガスは各ガス会社が自由に価格を設定できたため不透明な料金設定になっている実態がありました。
2017年にガイドラインが見直され、価格を明確に示すように変更され改善されつつあります。
もし価格について気になる場合は、ガス会社へ問い合わせてみましょう。
都市ガスのメリット
次に、都市ガスのメリットを紹介します。プロパンガスにはメリットがあります。
価格が安い
都市ガスは、地中の導管を通してガスを届けるため、ボンベの輸送や点検などの人件費や配送費がかからず、低価格で使用できます。
環境にやさしい
都市ガスは燃焼時に発生する二酸化炭素の排出量が石炭や石油より少ないため、安全性が高く、クリーンなエネルギーです。
設置スペースが必要ない
プロパンガスは、ガスボンベの設置場所が必要でしたが、都市ガスは地中に導管が設置されているため、スペースを有効に活用できます。
都市ガスのデメリット
最後に、都市ガスのデメリットを紹介します。
提供エリアが限定されている
都市ガスの供給は都市部や人口密集地域に限定されており、農村部や遠隔地域では利用できません。
都市ガスを使用したい場合は、都市ガスの供給エリアに引っ越す必要があります。
災害の復旧時に時間がかかる
都市ガスの供給網であるパイプラインは地域全体で繋がっているため、災害時には復旧に時間がかかる可能性があります。
地震によりパイプラインの損傷があった場合、複数の家庭に供給ができなくなり、修理に多くの労力・時間が必要です。
初期費用が高い
都市ガスの初期費用は、ガス管の引き込み工事で10~15万円が目安です。
都市ガス会社が初期費用を負担してくれるため、全額支払う必要はありません。
しかし、プロパンガスが初期費用を必要としない『無償貸与契約』を考えると高く感じるでしょう。
プロパンガス・都市ガス比較表
今回はプロパンガス・都市ガスのメリット・デメリットを紹介しました。
それぞれのメリット・デメリット、おすすめの方の特徴は以下になります。
プロパンガス | 都市ガス | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
おすすめの方の特徴 |
|
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、比較検討してうえでお選びください。