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エコジョーズに関する基礎知識
エコジョーズの仕組みを紹介する前に、エコジョーズに関する基礎知識を説明します。
基礎知識を知ることで、仕組みも理解しやすいでしょう。
エコジョーズとは
エコジョーズは、効率よくお湯を沸かす省エネルギー性が高い給湯器です。
家庭のエネルギー消費量のうち、約3分の1を『給湯』での利用が占めていると言われています。
効率よくお湯を沸かすことは、少ない消費エネルギーにより、光熱費の節約や二酸化炭素の排出量の削減につながります。
熱効率とは
熱効率とは、投下した熱エネルギーが電力などに有効利用されるエネルギー変換の割合を表します。
熱効率を高めることは、エネルギー消費が効率的に利用できていると考えられ、給湯器や空調機器の性能を評価する指標として使われています。
エコジョーズは、捨てられていた排気熱を利用して、約80%だった給湯熱効率を95%に上昇させました。
排気熱を上手に活用しているため、他の給湯機器と比べて少ないガス使用量でお湯が沸かせます。
日本ガス体エネルギー普及促進協議会とは
日本ガス体エネルギー普及促進協議会とは、一般社団法人日本ガス協会・日本LPガス団体協議会・一般社団法人日本コミュニティーガス協会が連携・強化の目的のために発足しました。
ガス体エネルギーの普及・促進を目指し、生活・文化の安定・向上の実現に尽力しています。
エコジョーズとの関係性については、社団法人日本ガス石油機器工業会と日本ガス体エネルギー普及促進協議会が、低炭素社会の実現に向けた取り組みとして、2013年3月までに生産するすべてのガス給湯器を『エコジョーズ』に切り替えることを決定した『エコジョーズ化宣言2013』が発表されました。
二次熱交換器とは
二次熱交換器とは、一次熱交換後の排気ガスから顕熱・潜熱を回収する交換機を意味しており、エコジョーズの仕組みを表しています。
排気中の水蒸気を水に変化させ、温度計では計測できない排気中の潜熱を回収して、熱効率を向上させます。
エコジョーズの仕組み
次に、エコジョーズの仕組みを説明します。
エコジョーズの仕組みは、以下の流れになります。
- 水道から水が供給される
- 二次熱交換器で水を温める
- 一次熱交換器で吸収しきれなかった排熱で水を温める
- 一次熱交換器で水を温める
- 二次熱交換器で温めた水をバーナーを使い、加熱してしっかり温める。
お湯を作る際には、高温の熱が発生し、沸騰すると約200℃の熱が排出されます。
これは『排熱』と呼ばれていますが、エコジョーズは排熱を回収して、二次熱交換器で水を予備加熱します。
一次熱交換器には、温められた水が送られるため、お湯を沸かす際には少ないエネルギーで済みます。
有効利用された排熱は、50℃まで下がるため、排熱量も少なくできます。
また、通常の給湯器に比べて給湯熱効率だけではなく、暖房効率も約80%から約89%に高められます。
暖房効率とは、消費エネルギーに対する暖房能力の数値を示すエネルギー効率です。
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エコジョーズの設置にはドレン排水処理が必要
エコジョーズは熱を再利用する工程で、ドレン水と呼ばれる結露水が発生するため、正しい方法で排出する必要があります。
ドレン水はpH3程度の酸性ですが、そのままの状態で排出すると、人体や環境に害を与えます。
そのため、エコジョーズには炭酸カルシウムを中和剤とした中和器が搭載されており、ドレン水は中和器を通してpH7程度に中性化されて排出されるため、人体や環境への影響はありません。
適切に処理せず流してしまうと、機器周辺が濡れた状態となり、苔やカビの発生を引き起こします。
また、長期的な使用で中和器が劣化した場合は、ドレン水が酸性に近い状態で排出されるリスクがあり、コンクリートの侵食も懸念されます。
建物を腐食させる恐れもあるので、住宅を守るためにも、ドレン排水は正しく処理する必要があります。
ドレン排水の中和性能を維持するため、安全機能も備えられています。
使用時間が設計時に定めた積算運転時間に到達した場合や、中和器が詰まりドレン排水が流れなくなった場合には、機器を強制的に停止させます。
エコジョーズの普及率
エコジョーズは、給湯器メーカー『パーパス』から販売されて約20年以上が経過しており、2022年3月時点で累計出荷台数は、約1,200万台に到達しました。
2013年3月までにエコジョーズの普及を促した『エコジョーズ化宣言2013』の効果もあり、増加傾向にあります。
環境に優しく、ガス代が安くなるエコジョーズは、今後も増え続けるでしょう。
各給湯器メーカーもエコジョーズの普及に注力しており、近い将来にエコジョーズの標準化が予想されます。
エコジョーズはエコで経済メリットのある給湯器
今回は、エコジョーズの仕組みを中心に紹介しました。
エコジョーズは、環境にやさしい特徴があります。
地球温暖化の問題は身近になりつつあり、二酸化炭素の排出による気温上昇は、年々深刻になっています。
エコジョーズはガスの使用量を大きく抑えられるため、二酸化炭素排出量を約13%も削減できます。
ブルー&グリーンプロジェクトの対象商品にも指定されており、環境問題に配慮した給湯器です。
ガス使用量も約13%削減でき、200万世帯がエコジョーズを1年間使い続けると、タンカー1隻分の節約になります。
さらにガス代も削減できます。エコジョーズは、約200℃の排熱を二次熱交換機で再利用し給水を予熱するガス給湯器です。
約20%のロスのうち、約15%を二次熱交換機で回収し再利用することによって燃費の改善やランニングコストの低減など様々なメリットが生まれています。
給湯熱効率も80%から95%に向上したため、同じ湯量を沸かす場合にもガス代を抑えられます。
懸念点として、通常のガス給湯器よりも導入コストが高くなりますが、その分ガス代を抑えられるため、省エネにもつながります。
機種や使用量、契約中のガス会社にもよりますが、3~4年程度で元を取れるケースもあります。
現在のガス給湯器やエコジョーズの種類によって、省エネ効果は異なるため、複数社で見積りを取り、比較してみましょう。
興味を持たれた方は、現在の給湯器との違いを理解して検討することをおすすめします。