ガス代の約80%は給湯で使用されているため、現在の給湯器からエコジョーズへの切り替えすることでガス代削減に大きな効果が期待できます。
『エコジョーズ』とはガス消費量が少なく効率的にお湯を沸かす給湯器です。
ガス給湯器よりも少ないガス消費量だけではなく、エコでガス料金の節約にもつながります。
今回は、エコジョーズのガス代の計算方法やお得になるケースを紹介します。
ガス代が高いと悩まれている方は、エコジョーズ導入の参考にしてください。
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ガス代の計算方法の基本
ガス代の計算方法を知っておくと、基準使用量の目安にもなります。
ガス代は、月の使用量によって支払う『基本料金』に1㎥あたりに支払う『従量料金』を加えた金額です。
『基本料金』と『従量料金』はガスの使用量により変動します。
また、単価はガス会社やエリアによって異なるため、契約単価はガス会社のホームぺージや検針票を確認ください。(東京ガスの検針票は2024年10月で投函終了となるためインターネットのmyTOKYOGASで確認してください)
今回は東京ガスの料金体系を基準に計算します。
東京都で1ヶ月のガス使用量が30㎥の場合
料金表Bの基本料金、単位料金を適用します。
ガス料金 = 基本料金 + 単位料金 × ガス使用量
= 1,056.00 + 130.46×30㎥
= 1,056.00 + 3,913.80
= 4,969.80(1円未満切り捨て)
= 4,969 円
※料金計算には、2024年4月8日現在の東京地区 一般契約料金 基準単位料金を適用しています。
エコジョーズのガス代計算
エコジョーズのガス代の計算方法を説明します。
家族人数:5人家族 給湯器サイズ:24号 1日の水の使用量:800リットル
使用時期:東京都 冬 水温:平均10℃
使用用途・頻度:風呂:1回/日、シャワー:5回/日、1人80リットル
洗い物・洗面は、お湯を使い、風呂は毎日沸かす。
お湯の温度はすべての箇所で42℃を設定
※実際は、風呂で追い焚きや足し湯にも使用しますが、今回は含んでいません。
1日の水使用量の内訳は以下になります。
家族人数 | 5人 |
風呂(42℃) | 200リットル/1回 |
シャワー(42℃) | 400リットル/5回 |
洗面・台所(42℃) | 200リットル |
合計量 | 800リットル |
800リットル・10℃の水を42℃のお湯を作るために必要な熱量を計算します。
42℃-10℃=32℃
1 リットルの水を1℃上げるためには、1kcalが必要なため、
必要な熱量:800リットル×32℃×1kcal=25,600kcal
都市ガスの熱量は、11,000 kcal/㎥ です。
800リットルの水を沸かすために必要な都市ガスの体積量は、
25,600÷11,000=2.32 ㎥(給湯のために約2.4㎥ の都市ガスを使用)
エコジョーズを使用すると、熱効率が95%と削減できるため
使用量:2.32÷0.95=2.44 ㎥/日
1ヶ月では、73.2 ㎥/月になります。
都市ガス(東京ガス)の単価は、145円/㎥(0~20㎥)、130円/㎥(20~80㎥)と想定。1ヶ月の給湯にかかるガス代:(20㎥×145円)+(53.2㎥×130円)=9,816円 になります。
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エコジョーズがお得になるケース、お得にならないケース
ガス代が削減できるエコジョーズですが、損してしまう場合もあります。
お得になるケースも紹介しますので、導入した際に以下の条件に当てはまるか確認してください。
お得になるケース
お湯を使う量が多い
家族が多かったり、お風呂に何度も入るなどお湯の使用量が多い場合エコジョーズを使う事で、ガス代を削減できます。
エコジョーズはエコキュートのような貯湯式(ちょとうしき:給湯器のタンクにお湯を貯えて給湯する給湯方式)ではなく、使用時に瞬時にお湯を作れるのでお湯切れの心配もありません。
床暖房を使用している
エコジョーズは熱効率がよく、ガス代を抑えながら床暖房を使用できます。
エアコンの稼働も減らせるので、電気代も削減できます。
プロパンガスを使用している
プロパンガスは、一般的に都市ガスよりもガス代が高いため、少しガス消費量が減るだけでもガス代を大きく削減できます。
設置場所を柔軟に対応できる
エコジョーズは、一般的な給湯器には生じない『ドレン水(結露)の排出』が必要です。
排水の対応や臭い・音が気にならない場所がある場合は、エコジョーズの導入にメリットを感じるかもしれません。
お得にならないケース
1人暮らしでお湯をあまり使わない
1人暮らしやお湯をあまり使わない家庭では、エコジョーズによってガス代が削減できるメリットが受けづらい傾向にあります。
賃貸住宅の給湯器(オーナー側)
エコジョーズの効果を実感できるのはガス使用者のため、賃貸住宅のオーナーは交換費用が安く済む給湯器を選ぶ方がお得です。
特に家賃が低いアパートをウリにする場合には、エコジョーズの導入によって家賃を上げるよりも、その分家賃を下げたほうが収益的に見てプラスに作用します。
エコジョーズに交換する時の総合メリットの考え方
エコジョーズは給湯器と比べて初期費用が高くなってしまうため、導入を断念する方もいらっしゃいます。
ランニングコストはエコジョーズの方が安いため、どのくらいの期間であれば差額を回収できるかシュミレーションが必要です。
エコジョーズの交換費用は、機器代・工事費込みで少なくとも約25万円かかります。
例えば、毎月のガス料金が6,000円の場合、給湯で使用するガス代は約80%の約4,800円になります。
エコジョーズはガス料金が約15%削減できるため、変更後のお湯に使用するガス代は4,000円になります。
毎月800円、年間では9,600円のガス料金を削減できます。
交換費用の差額25万円は、250,000円÷9,600円=25.51
約25年6ヶ月で回収できます。
ドレン水を中和して排出する『中和器』の寿命は約10年と言われているため、メンテナンス費用の支払いも念頭におきましょう。
交換費用は約12,000円~25,000円かかるため、さらに約3年使用の継続が必要です。
将来のガスの使い方を考えてエコジョーズに交換しましょう
エコジョーズは家庭の使用環境が合えばお得を感じる商品です。
お得を感じる条件は以下になります。
- お湯を使う量が多い
- 床暖房を使っている
- プロパンガスを使用している
- 設置場所を柔軟に対応できる
一方、子どもが数年後、独立の予定でお湯の消費量が減る場合は、エコジョーズの恩恵を受けにくいため導入を見送る方が良いかもしれません。
エコジョーズは、将来のランニングコストを考えて、長い目で見て初期費用を回収できるのか検討してガス代の削減に活用しましょう。