エコジョーズが故障する原因や対策は、あまり知られていません。
専門的な技術が必要な故障は、メーカーや業者に相談・修理を依頼する必要があります。
今回は、給湯器の専門家としてエコジョーズの故障の原因と対策について紹介します。
故障の原因と対策を知っておくことで万が一、故障に遭遇した場合にも落ち着いて行動できますので参考にしてください。
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凍結による配管破損による故障
エコジョーズから水や湯が出なくなった場合には、凍結の可能性があります。
寒い日に配管に溜まった水の凍結が原因で配管を破損させます。
配管が破損してしまうと、修理が必要です。
凍結の場合は以下の対処方法を参考にしてください。
- リモコンをOFFにする※コンセントは抜かないでください
- 自然に解凍するまで待つ
- 給湯栓から水が出るようになったら、エコジョーズや配管から水漏れがないか
- 確認後に使用する
配管に湯をかけての解凍は、配管やバルブの破損の原因になります。
凍結による破損は、保証期間内であっても有償修理になる場合がありますので気を付けましょう。
凍結を防止する3つの対策を紹介します。
凍結予防ヒーターと自動ポンプ運転を行う
エコキュートには、機器周辺の温度が約3℃以下になると、自動的に機器内を保温するヒーターと自動ポンプ運転が組み込まれています。
給湯栓から水を流す
リモコンの運転スイッチを『切』にし、浴槽に排水栓をしてから風呂の給湯栓を開け、1分間に約400mlの水を浴槽に流します。
水抜き
給湯側・ふろ側の順に水抜きを行ってください。
激しい雨による故障
強風を伴う雨や雪が降ると、エコジョーズが空気を取り込んだ際に水分が入ってしまいます。
水分が内部の電気配線の接続部分や端子部分に付着すると、部品が誤作動を起こし、故障の原因になります。
内部の部品が濡れてしまった場合は、自然乾燥で復旧します。
自然乾燥でも故障が直らない場合は、内部の部品を分解し、ドライヤーで乾かしたり、部品を交換します。
分解作業はガス漏れの恐れもありますので、必ず専門業者に依頼しましょう。
火災や落雷・台風・水害などの自然災害による被害が火災保険で補償されるケースがあります。
火災保険で補償される具体的なケースは以下の通りです。
- 台風による水災が発生した
- 台風による飛来物によってエコジョーズがへこんだ
- 落雷によってエコジョーズが破損した
- 洪水により水に浸かって使用できなくなった
補償の適用には、保険会社に自然災害による故障を証明しなければいけません。
自然災害を受けた場合、公的機関から発行された罹災証明書(りさいしょうめいしょ)を申請します。
地震も自然災害ですが、火災保険では地震が原因でエコジョーズが破損しても補償は受けられません。地震による損害は、地震保険で補償されます。
号数の能力を超える使い方による故障
燃焼ガスに含まれる水蒸気が結露凝縮した酸性のドレン水を安全に機器外に排出するためには、中性に変える必要があります。中和器の炭酸カルシウムが酸性のドレン排水が通過する際に化学反応を起こし、中和して安全に排出します。
エコジョーズの寿命は約10年とされていて、他のガス給湯器より壊れやすいわけではありません。
ただし、エコキュートのような電気で湯を沸かす給湯器の寿命が約10年〜15年とされているため、短いと感じるかもしれません。
中和器は消耗品であり、中和器交換のタイミングで発生するエラーは故障ではありません。
中和器とは、エコジョーズに搭載されている部品です。
エコジョーズでお湯を沸かすと発生する『ドレン水』を中和する働きがあります。
エコジョーズのサイズは号数で表され、水温+25℃の湯を1分間に何リットル供給できるかを表示しています。
号数が大きいほど同時にたくさんの湯を使えるので、人数が少ない家庭なら20号、多い家庭では24号以上、世帯人数やライフスタイルに合わせて選びましょう。
給湯器に過度な負担がかかる使い方をすると、平均寿命を下回って故障します。
たとえば、2人暮らしを想定して16号の給湯器を設置していた場合、家族の人数が多くなり、従来以上に湯の量が増えてしまうと、エコジョーズに過度な負担がかかり故障が発生します。
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経年劣化による故障
前述の通り、エコジョーズの寿命は約10年です。約10年経過したエコジョーズの故障原因のほとんどが経年劣化による内部部品の劣化で故障を引き起こします。
年数が経過すると、部品の損傷やパッキンの摩擦が起こるのが原因です。
保証期間内であれば無料で修理や交換をしてくれますが、 寿命を超えて保証期間外の場合は、有料で修理をすることになります。
ゴミが溜まって不完全燃焼することによる故障
エコジョーズの内部や給排気口に葉やゴミ・埃・チリが詰まってしまうと、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生します。
安全に使用するためには、給排気口を塞がない、給排気口周辺に障害物を置かないように気を付けましょう。
入浴剤による故障
給湯器がエコジョーズの場合はなるべく浴槽に入浴剤を使用しない方が良いです。
入浴剤の成分には、酸・塩分・硫黄の不純物が含まれているため、配管内の金属部品が劣化します。
エコジョーズは、精密で高額な機器のため、大切に扱わないと壊れやすくなります。
設置による故障
設置時の段階で小さな不具合が起っているにも関わらず、気づかずに使用を続けると、次第に大きな不具合になり故障の原因になります。
初期の不具合は、過去に遡って詳細を証明することが難しいため、メーカー保証の適用も難しい故障です。
もしエコジョーズに少しでも違和感があったり、気にならない程度の不具合を感じる場合は、すぐにメーカーに問い合わせて点検してもらいましょう。
中和器のエラー表示による故障
中和器のエラーコード『930』は、中和器の寿命のお知らせです。
中和器が寿命を迎えていて交換しないと使用できないため、専門業者に連絡して点検・交換を依頼しましょう。
エラーコード『920』が表示されているにも関わらず、使用を続けると『930』が表示されるので『920』の表示時点で点検・部品交換を行うのがおすすめです。
10年以上使用している場合は、本体の交換も視野に入れる必要があります。