給湯器クーリングオフのやり方と注意点

給湯器の契約は、原則片方の都合で解約ができませんがクーリングオフ制度を使うことで、解約することができます。

クーリングオフとは、無条件で契約の無効や申し込みをキャンセルできる消費者を保護する制度です

訪問販売や電話での勧誘販売は、消費者が冷静な判断ができずに契約してしまい、トラブルに発展する可能性があります。

今回は、クーリングオフの手続きの流れや注意点、もしトラブルが発生した場合の解決方法を解説します。

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給湯器の無料点検トラブルの増加

PIO-NETにみる給湯器の点検商法に関する年度別相談件数の推移
国民生活センター

給湯器の無料点検に関係したトラブルが急増しています。

国民生活センターの調査によると、給湯器の点検による相談件数は2022年度が561件だったのに対し、2023年度は1099件と過去最多を記録しました。

2023年度の相談件数は2022年度の約3倍まで増加しました。

また、契約者の70%以上が70歳以上の年齢のため、高齢者は特に注意してください。

屋根の点検商法の摘発が進み、悪質業者が給湯器にシフトしたことも推測されます。

トラブルが多い事例として、給湯器の無料点検や自治体からの依頼などとうそをつき、古いので危ないなど交換の必要性や割引をうたい契約を迫るトラブルが増えています。

給湯器は生活に必要な機器ですが、メーカーやガス会社が購入者の連絡がないにもかかわらず、修理や点検を行うことはありません。

少しでも怪しいと感じたら安易に点検させず、断りましょう。

契約の際は、一度冷静になり、他の会社からも見積りを取るなど相場の金額を確かめてから比較・検討して決めましょう。

それでも不安がある場合は、消費生活センターに相談してください。

給湯器クーリングオフ時の契約書確認ポイント

契約書の確認ポイント
  • 必要情報の記載
  • クーリングオフ期間の確認

クーリングオフの際の契約書確認ポイントを紹介します。

まず契約書にクーリングオフに関する必要情報がきちんと記載されていることを確認してください。

確認書類は、工事請負契約約款と工事請負契約書の2種類です。

工事請負契約約款とは、契約者と工事業者のトラブルを防ぐ書類です。

この書類のクーリングオフの内容を確認してください。

一般的には契約約款の最後の方に赤字で『特定商取引に関する法律の適用を受ける場合のクーリングオフについての説明書』の説明書きがあります。

工事請負契約書には『遅延損害金』『瑕疵担保責任』『紛争の解決』の記載確認も合わせて行うようにしてください。

支払い期限に遅れてしまった場合の損害金や、欠陥品を施工した際の責任に関わるため重要な項目です。

次にクーリングオフ期間がきちんと記載してあるか確認してください。

申込書や契約書を受け取ってから、8日以内であれば無条件で解約できる旨の記載があれば大丈夫です。

契約書類を受領した日を含めた期間ですので注意してください。

給湯器の設置工事の完了後でも適用されます。

給湯器クーリングオフ返品の手続き流れ

手順1.契約する

契約書にクーリングオフの記載があるか、必ず確認します。

手順2.不具合を発見する

給湯器業者に不具合の内容や状況を連絡します。

内容によっては、無料での修理や交換が可能かもしれません。

手順3.解約の連絡をする

給湯器業者の対応を聞き、契約前と内容が違う場合は解約の意思を伝えます。

手順4.クーリングオフの期間内に通知書を送る

クーリングオフは書面の発送日から効力があります。

販売業者に書面が契約書の受領から9日以降に届いた場合でも、通知書の送付日が8日以内であれば有効です。

通知書は両面をコピーした上で、郵便局の領収書と一緒に証拠として保管してください。

2022年6月特定商取引法改正通知書の電子化解禁

2022年6月の特定商取引法改正により、申込書や契約書は書面での交付が義務づけられていましたが、契約者の事前の承諾があればクーリングオフの通知書の電子送付も可能になりました。

送付方法は、メールやUSBメモリなどの記録媒体、販売業者のホームページの専用フォームが一般的です。

契約書に送付方法の記載がある場合は、確認した上で通知をしてください。

手順5.クレジット支払いの場合は、クレジット会社にも通知する

クレジット決済の停止や状況を報告するため、クレジット会社にも通知します。

手順6.給湯器を返品する

販売業者から指示された方法で給湯器を返送します。

返品にかかる送料は販売会社が負担するので、契約者は着払いで返送するか、業者に引取りに来てもらいましょう。

手順7.返金される

支払い済みの費用を返金してもらいます。

給湯器クーリングオフの注意点

クーリングオフの対象外の場合は、通知書を送付しても適用されません。注意点を理解することでトラブルに巻き込まれる可能性も低くなります。

送付記録の保管

ハガキでの郵送も有効ですが、悪質業者の場合、届いていないと主張してくることもあるので、特定記録郵便や簡易書留で送付の記録を保管します。

電子送付の場合は、送信メールやホームページの専用フォーム画面のスクリーンショットを保存します。

送付記録や関係書類は5年間以上保管してください

損害賠償や違約金の請求

違約金がかかると思わせ、妨害してくる業者もいますが、損害賠償や違約金はかかりません。

クーリングオフ期間も延長されるので、消費生活センターに相談してください。

インターネットでの購入は対象外

インターネットでの給湯器の購入は、クーリングオフの対象外です。

返品の可否など条件がある場合は、購入業者の方法に従います。

特約がない場合は、給湯器の受け取り日を含めた8日以内であれば返品できますが、返品費用は購入者が負担します。

申込み場所の確認

販売業者の営業所や購入者の自宅や勤務先で申込みをした場合は、クーリングオフは適用されません。

クーリングオフについての相談先

クーリングオフの判断や、通知方法がわからない場合は、消費生活センターや国民生活センターに相談しましょう。

最寄りの消費生活センターがわからない場合は、『消費者ホットライン』に連絡してみましょう。消費者ホットラインでは、最寄りの消費生活センターを案内してくれます。

土日祝日で消費生活センターが開所していない場合は、国民生活センターに電話がつながります。※一部地域や年末年始、国民生活センターの建物点検日を除く

詳しくは、消費者庁の『消費者ホットライン』のページをご確認ください。

クーリングオフ期間が過ぎても慌てずに対応する

クーリング期間を過ぎても、次のような状況は適用対象の場合があります。

  • 事実と異なることを言われた
  • 重要な事実をわざと言われなかった
  • 帰ってほしいと言ったのに帰らなかった

対象期間は、事実と異なることに気付いたときから1年以内、または契約締結時から5年以内です。

この期間が過ぎてしまうと、時効により契約取消ができなくなります。

不具合を見つけたらなるべく早く業者に連絡して、場合によっては契約取り消しも視野に入れて動くようにしてください。