エコキュートの仕組みを図解を使って分かりやすく解説

『エコキュート』という名前を聞いたことがあっても、具体的な仕組みや特徴については、よくわからないという方は少なくないでしょう。

エコキュートは、光熱費の削減や環境に優しいなどのメリットがあります。

今回は、エコキュートの仕組みや特徴を図解を使って紹介します。

エコキュートを詳しく理解したい方は参考にしてください。

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エコキュートは空気の熱をエネルギーに変える給湯器

エコキュートの仕組み
エコキュートの仕組み

エコキュートは、空気中の熱でお湯を沸かすヒートポンプを導入した給湯器です

ヒートポンプ方式は、空気中の熱(ヒート)を温度の低い方から高い方へ汲み上げる(ポンプ)仕組みです。お湯を沸かす際に空気の熱と電気を併用し、電気エネルギー『1』に対して、空気熱エネルギーを『2以上』取り込むので効率的です。

電気エネルギーだけでお湯を沸かす場合と比べて、消費電力量を約1/3に抑えられます。

エコキュートの仕組み

エコキュートは、『ヒートポンプユニット』と『貯湯タンクユニット』の2つで構成されています。

エコキュートは、以下の6つの手順でお湯を作ります。

  1. 空気中の熱をヒートポンプユニットの熱交換器の冷媒が取り込む
  2. 取り込まれた熱は、ヒートポンプ内の圧縮機によって高温に変えられる
  3. 高温になった冷媒の熱を水に伝えてお湯を作る
  4. お湯を貯湯タンクユニットに貯めて、使用できる状態にする
  5. 熱交換器で熱を奪われた冷媒は膨張弁に運ばれて、低温に変化する
  6. 貯湯タンク内の高温のお湯は、水を混ぜて設定温度まで温度を下げて給湯される

冷媒とは、エアコンや冷蔵庫を冷やすために使用されるガスです。

圧力によって液体や気体に変化します。エコキュートでは、ヒートポンプ内の管の中を回って熱を移動させる役割を担います。

オール電化住宅では、エコキュートと電気温水器の2種類が必要です。

電気温水器との違いをまとめてみました。

比較項目エコキュート電気温水器
仕組みヒートポンプユニットにより、屋外の空気の熱と最低限の電気でお湯を作る貯湯タンクに設置された電気ヒーターで水を直接、加熱してお湯を作る
効率空気の熱と電気を両方活用するので、効率がよい電気ヒーターで作られる熱のみを活用する
電気代ヒートポンプ技術によって熱を生み出すため、消費電力を抑えられる電気だけでお湯を沸かすので消費電力が多くなりやすい

エコキュートの特徴

ここでは、エコキュートの特徴を紹介します。

省エネで光熱費の削減に役立つ

エコキュートは、従来の給湯器よりもエネルギー消費量が少ないため光熱費が抑えられます。

また、夜間の電気料金が安くなるプランでは、日中に使用するお湯は電気料金が安い夜間に作られるため、さらに電気代が抑えられます。

他の節約方法として、太陽光発電で作られた電気をエコキュートへ供給できれば、電気代を抑えながら給湯機能を使用できます。

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停電時でもお湯・水が使える

エコキュートは、貯湯タンクにお湯を蓄える仕組みです。

タンク内にお湯が入っていれば、停電時でも温かいお湯が使えます。ただし、貯湯タンク内のお湯や水は飲料用水には使用できませんので注意してください。

また、停電時は電気が利用できないため、新たにお湯を沸かせないため、お湯が溜まっていなければ水しか使用できないでしょう。

さらに設定温度の調整もできないため、お湯の温度が約90℃ほどになる場合もあり、お湯を出す際は火傷に気を付けてください。

災害時の復旧が早い

災害時の復旧では、ガスよりも電気の方が早いと言われています。

電気が復旧すれば、ガス給湯器の家庭よりも早くお湯が使用できるので、特に寒い時期には安心です。

夜間稼働を配慮した低騒音設計

エコキュートの運転音は、約38dBと図書館と同じ静けさです。

電気料金が安い深夜から早朝にかけて稼働してお湯を沸かす性質上、稼働音での騒音対策を考えて設計されています。

ただし、設置場所は、寝室の横を避けるなどの配慮が必要です。

オール電化向けの住宅設備

エコキュートはガスを使用しないので、オール電化に対応しています。

また、太陽光発電の電気をエコキュートへ供給できるので、買電量を抑えながら湯はりを行えます。

家庭用蓄電池と併用すれば、余剰電力が貯められ、夜間や早朝でもエコキュートの電力をカバーできます。

オール電化住宅を目指している方や太陽光発電や家庭用蓄電池を検討している方は、エコキュートへの切り替えをおすすめします。

ただし、昨今の電気代高騰からガスと併用してエコキュートを使う家庭が増えています。

エキュートとガスを併用して使うのは昼間の時間帯の電気をガスで補えるなどのメリットがありますが、ガスの配管工事が必要になるなどのデメリットもあります。

併用して使う場合はメリット・デメリットどちらも確認してから導入するようにしてください。

関連エコキュートとガスを併用する時のメリット・デメリット

高齢者やお子さまがいる家庭でも安心

エコキュートは、必要なときすぐにお湯が使えるので火を使ってお湯を沸かす必要がありません。

高齢者や小さなお子さまがいる家庭でも安心して使えます。

自動機能で手間がかからない

自動運転・自動給水の機能は、湯切れしないように働くのでスイッチの入れ替えや確認の手間がかかりません。

オート機能が充実した機器であれば、お風呂の準備も簡単です。

またフィルターの掃除やメンテナンスなどもそれほど難しくないのも特徴です。

エコキュートの掃除・点検・メンテナンンスの方法に関しては別ページで詳しく紹介していますのでそちらのページをご覧ください。

関連エコキュートの掃除・点検・メンテナンンスの方法

湯温や量が安定している

機器によりますが、エコキュートは貯湯式のため、数カ所で同時にお湯を使ってもよっぽどのことがない限りお湯の温度・量に影響がありません。

しかし、家族の人数が多い家庭では、使用量が多いバスルームとキッチンで同時に使うと、お湯がぬるくなることがあります。

関連エコキュートがぬるいお湯しかでない時の原因と対処方法

エコキュートはエコで経済的な給湯器

現在、未来の地球のために『持続可能な開発目標(SDGs)』が注目されています。

二酸化炭素の排出量を減らす『脱炭素化』は、地球温暖化を防ぐために非常に重要な問題です。

日本エネルギー経済研究所の調査によると、家庭内でのエネルギー消費の約3割を給湯が占めています。

エコキュートは、大気中の熱を取り込んでお湯を作ります。

沸き上げの際に電力は必要ですが、ガス給湯器と比較すると資源を消費するエネルギーの使用量は最小限で済むため、二酸化炭素の排出を抑えられます。

また、エコキュートに利用されている『冷媒』はフロンガスではなく、二酸化炭素です。

フロン系冷媒は、オゾン層にダメージを与え、地球温暖化への悪化が懸念されていますが、二酸化炭素を再利用すれば、オゾン層にダメージを与えません。

さらに、エコキュートはガスを使わないので、毎月のガス代も節約できます。

お湯を電気代が安い夜に沸かすので光熱費も抑えられます。導入コストはかかりますが、ランニングコストを含めた費用で検討しましょう。

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