エコキュートは、ヒートポンプと貯湯タンクから構成されており、ガス給湯器に比べて設置スペースが必要です。設置場所を間違えてしまうと、エラー表示や騒音・冷風トラブルを引き起こします。
本記事では、エコキュートの設置場所の注意点を解説します。
対策方法も紹介しますので、設置を検討している方は参考にしてください。
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水回りの近くに設置する
エコキュートは、水回り周辺に設置するのが重要です。
追い焚き機能のあるフルオートタイプのエコキュートを設置する際には、浴室とエコキュートの距離を15m以内に推奨しているメーカーもあります。
浴室との距離が長すぎると、エラーが発生し、使用できないケースもあります。
また、コスト面でもシャワーのお湯が出るまでの時間が長くなり、水道代もかかります。
設置場所は浴室、洗面所、台所に近い場所にしましょう。
特に、北海道のような寒冷地では、配管内の温度が下がりやすく、凍結のリスクも生じるため、快適にお湯を使うためにも適正距離を守ることが必要です。
寝室の傍は避ける
エコキュートは、主に深夜から早朝にかけて沸き上げを行う給湯システムです。
最近のエコキュートの稼働音は気にならない程度の音(40~50dB程度の低周波音)です。
40~50dBの音の大きさは、美術館や図書館の館内や書店の店内程度と言われており、日中であれば気になることはありません。
しかし、周囲が静かな就寝時間帯の場合には、運転音が気になる恐れもあります。
寝室や隣家の近くに設置してしまうと睡眠の妨げになってしまう可能性があるので、できるだけ離して設置したほうが良いでしょう。
隣家や寝室とどのくらい離せばよいかは周囲の状況によっても異なるため、エコキュートの専門業者に現地調査を依頼しましょう。
音が反響する場所は避ける
エコキュートの稼働音は小さいですが、音が反響する場所に設置すると、気になる方もいるかもしれません。
エコキュートがお湯を作るのは深夜の時間帯なので、小さい反響音でも気になってしまう人は多いでしょう。
また、稼働音とは別に低周波による低い音も壁の素材によって反響すると、大きな音になる場合があるため、音が響かない場所を選ぶと良いです。
エコキュートを設置する場合には、音が反響しやすい場所への設置は避け、左右に壁や障害物がない場所に設置することをおすすめします。
設置後に音が気になる、または苦情を言われた際は、防音シートや防音マットを設置するのも効果的です。
エコキュートを買い替える時は配管を再利用する
エコキュートの配管は、既存のものを再利用できる場合があります。
設置場所や配管の状態によっては、新しく配管工事が必要になる場合もあります。
しかし、タンクとヒートポンプを接続している配管は再利用はできません。
エコキュートの配管が再利用できるかは、4つの条件が当てはまるかで判断できます。
- 同じ設置場所である
- 配管の劣化がない、腐食や漏れがない
- 配管の長さが十分にある
- 配管の接続方法がエコキュートに適している
配管を再利用できるかの判断は、設置場所や配管の状態によって異なります。
判断が難しい場合は、専門業者に相談しましょう。
室外機が放出する冷風を考慮する
ヒートポンプユニットは、大気の熱を汲み上げてお湯を温める機能を持ちます。
取り入れた空気は、熱を奪われて外の気温よりー5~10℃冷たくなって放出されるため、どの方角を向いているか、設置の際に注意しておきましょう。
近隣の住宅の通気口や換気扇にぶつかる場所の場合、隣の住宅の室温を下げてしまい、トラブルに発展する可能性もあります。
暑い夏の時期であればトラブルになりにくいですが、寒い冬の時期は冷たい風をさらに発生させてしまうため、近隣トラブルの原因になりかねません。
エコキュートは、騒音対策だけではなく、冷風対策も考慮して設置場所に注意しましょう。
エコキュートを屋内に設置する際は屋内仕様のエコキュートを選ぶ
エコキュートは、タンク内のお湯の温度やヒートポンプから排気される冷風が室温に影響を及ぼすため屋外での使用を前提に設計されています。
しかし冬場の外気温がー20℃を下回る寒冷地や、屋外に設置が難しいマンションでは屋内専用の製品を設置する場合もあります。
屋内仕様のエコキュートには、漏水センサーが備えられています。
屋内に設置する際には、必ず屋内仕様の製品を選びましょう。
また、屋外には屋内仕様のものの利用は避ける必要があります。
外気を取り込むヒートポンプの冷媒には二酸化炭素が使われており、ガス漏れを起こした場合に二酸化炭素中毒を引き起こすリスクがあります。
屋内にタンクを設置する場合でもヒートポンプは必ず屋外に設置し、密閉空間を避けて、必ず通気口を設けてください。
設置場所が狭い場合は薄型タイプを選ぶ
エコキュートを設置する際には、貯湯タンクとヒートポンプユニットの両方の設置スペースを準備する必要があります。
貯湯タンクは形状によって角型と薄型の2つの種類があり、それぞれ必要な設置スペースが異なります。
ヒートポンプユニットと貯湯タンク(角型・薄型)の一般的に必要な設置スペースは、以下になります。
一般的な設置スペース | |
ヒートポンプユニット | 幅:80cm×奥行:30cm×高さ:72cm |
貯湯タンク(角型) | 幅:60cm×奥行:70cm×高さ:180cm |
貯湯タンク(薄型) | 幅:100cm×奥行:40cm×高さ:190cm |
一般的な住宅に設置される貯湯タンクは角型です。貯湯タンクのサイズが大きく、一戸建て住宅に設置されます。
角型タイプは、標準的な仕様なため、ラインナップが豊富で各メーカーがさまざまな機能の商品を提供しています。
一方、薄型には2つのメリットがあります。
1つ目のメリットは、狭いスペースでも設置が可能です。
都市部では隣家との距離が狭いケースが多く、角型では設置が難しい場合があります。
しかし、薄型であれば角型よりも奥行きが約30cm短いので設置できます。
2つ目のメリットは、景観を損なわないデザインであることです。正方形に近い角形に比べて、薄型は細長い形状のため圧迫感がなく、家の景観を損いません。
特に、玄関先や庭先にエコキュートを設置する場合には、角型では目立ちやすいため薄型を選ぶことをおすすめします。
エコキュート設置場所まとめ
今回は、エコキュートの設置場所の注意点や必要なスペースについて紹介しました。
エコキュートは省エネを考慮するのであれば台所や浴室の近い場所に設置し、隣家とのトラブルにならないように、向きや防音対策を考える必要があります。
設置してしまうと簡単に移動できる製品ではないため、設置場所選びは慎重に検討しましょう。