火災保険が適用されるエコキュートの故障条件まとめ【事例あり】

2024年12月9日

エコキュートは便利な給湯システムですが、自然災害による故障時の修理費用が大きな負担になる場合もあります。そのような場合は、火災保険が適用できないか確認しましょう。

火災保険は火災だけではなく、落雷や台風による被害も補償されるため、エコキュートも対象になることがあります。

ただし、適用される条件や対象外となるケースを理解しておくことが大切です。

今回は、火災保険の適用条件や事例、修理費用の目安を紹介します。

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ページ内目次

1 エコキュートの故障に火災保険が使える条件
2 火災保険が使える事例
3 自然災害以外のエコキュートの故障は火災保険対象外
4 火災保険を使う時の流れ
5 エコキュートの修理費用目安
6 火災保険に強い業者に依頼しよう

エコキュートの故障に火災保険が使える条件

エコキュートの故障が火災保険の補償対象になるかは、契約内容や特約の有無によって異なります。

以下の条件を満たす場合、火災保険が適用される場合があります。

条件	説明
自然災害による被害	台風、落雷、強風、雹災などによる損害が対象。飛来物の衝突や落雷による電気系統の故障が該当します。
補償対象が『建物』に含まれる	火災保険の補償対象が『建物』の場合に限り、エコキュートが補償される。『家財』のみの補償契約では対象外です。
電気的・機械的事故特約の加入	自然災害以外の突発的な事故（配線ショートや機械トラブル）にも対応する特約。加入していると補償範囲が広がります。
免責金額の確認	免責金額（保険金の支払い対象外となる損害額）以下の損害は補償対象外です。保険証券に記載されているので確認しましょう。

『免責金額』とは、設定された保険金請求時に支払われない金額です。

設定金額を超える損害に対して保険が適用されます。保険内容は、保険証券や保険会社のマイページを確認すると、詳細な補償内容がわかります。

不明点があれば保険会社に問い合わせしましょう。

火災保険が使える事例

エコキュートが火災保険の対象となるケースは、主に『自然災害』や『偶発的な事故』による損害です。以下に具体例を挙げて説明します。

種類	事例	具体例
自然災害	台風（風災）	瓦が飛来してエコキュートに衝突し故障。
	落雷（雷災）	落雷により過電流が発生し、基盤が焼損。
	雹（雹災）	雹が直撃し、外装が凹んだ。
	雪災	屋根からの落雪でエコキュートがつぶれた。
	水災	洪水や高潮で基盤が浸水し動作不能になる。
偶発的な事故	盗難	設置後、数日でエコキュートが盗まれた。
	物体の衝突	駐車中の車が誤ってエコキュートに衝突し破損。
	破損・汚損補償	子どもがボールをぶつけて配管が破損。
	凍結故障	冬場の寒さで給湯管が凍結し、水漏れが発生。

これらの事例はあくまで一例であり、保険の適用範囲は契約内容によって異なります。

具体的な条件や免責金額は保険証券を確認しましょう。

自然災害以外のエコキュートの故障は火災保険対象外

エコキュートが火災保険の対象となるかどうかは、故障の原因によって大きく異なります。

自然災害によるものは補償される場合がありますが、それ以外の故障は基本的に対象外です。

以下のケースに該当する場合、エコキュートの故障は火災保険の補償範囲外となるので注意してください。

経年劣化による故障

エコキュートの故障が経年劣化の場合、火災保険は補償されません。

エコキュートは外部に設置されることが多いため、長期間にわたって日光や雨風にさらされ、劣化が進行します。

一般的に、エコキュートの耐用年数は10年～15年程度とされており、その期間を超えると故障するリスクが高まります。

経年劣化による故障は、自然な現象として捉えられ、保険の対象外となるケースがほとんどです。

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故意や過失による故障

もし、エコキュートが故意や重大な過失によって壊れてしまった場合も、火災保険では補償されません。

例えば、取扱説明書に従わずに不適切な方法で使用した結果、エコキュートが故障した場合などが該当します。

このような場合、意図的に壊して保険金を請求することを防止するため、保険の対象外となります。

地震による故障

エコキュートが地震で倒れたり、配管が壊れたりした場合は、火災保険ではなく『地震保険』の対象です。

火災保険の契約内容には地震による損害は含まれていないため、補償を受けられません。

地震保険でもエコキュートは主要構造物ではないため、補償対象外となる場合がほとんどです。

免責金額以下の損害

火災保険には、免責金額が設定されている場合があります。例えば、免責金額が5万円であれば、損害額が5万円以下の場合保険金は支払われません。

そのため、損害が免責金額以下であれば、火災保険の補償が適用されません。

このように、エコキュートの故障が火災保険の対象外となるケースがいくつかあります。

事前に契約内容や保険適用条件を確認して、万が一の際に備えることが大切です。

火災保険を使う時の流れ

エコキュートの故障に火災保険を利用する場合、正しい手順で進めることでスムーズに保険金を請求できます。

ここでは、火災保険を利用したエコキュートの修理や交換の流れについて詳しく解説します。

火災保険の手順は以下になります。

故障個所を確認する
火災保険の契約会社に連絡する
修理業者に連絡する
必要書類を準備する
書類を保険会社へ送付する
保険金申請の承認結果を確認する
エコキュートを修理する

次に、各手順の注意点や必要書類をまとめてみました。

各手順	詳細内容	注意点
①故障個所を確認する	自然災害の発生後には、エコキュートの状況を確認しましょう。	もし、被害が確認できた場合はエコキュートの被害箇所の写真や、被害発生日時と原因を記録しておくと、その後のやり取りがスムーズに行えます。
②火災保険の契約会社に連絡する	契約者名、保険証券番号、損害日時、損害状況を伝える。	代理店を通している場合は、代理店にやり取りを代行してもらえる。
③修理業者に連絡する	エコキュートの修理業者に連絡し、修理または交換の見積もりを依頼する。	保険適用可能か、確認しながら進めるとスムーズです。
④必要書類を準備する	以下の書類を準備してください。・保険金請求書・事故状況報告書・修理見積書・損害明細書・損害箇所の写真	盗難や落雷の場合は追加書類（盗難届の受理番号、落雷証明書）が必要になる場合もあります。
⑤書類を保険会社へ送付する	準備した書類を保険会社へ送付する。	送付方法や期限を事前に確認し、誤送を防ぐ。
⑥保険金申請の承認結果を確認する	保険会社から承認結果を確認し、保険金が支払われる。	不承認の場合は、理由を確認し追加資料の提出を検討する。
⑦エコキュートを修理する	エコキュートの修理を実施し、業者から修理報告書を受け取る。	修理完了後の書類は保管しておく。

各手順の内容を理解しておくと、火災保険を使ったエコキュートの修理申請がより明確になり、手続きが円滑に進められるでしょう。

エコキュートの修理費用目安

エコキュートの修理費用は、故障部位や症状により大きく異なります。以下に部位別の修理費用の目安を紹介します。

症状	費用目安	主な部位や原因	注意点
お湯に関する修理	17,000～50,000円	温度センサーや給湯配管の故障	温度が一定にならない場合は、センサーの交換が必要。長期間放置すると、他の部位にも影響を与える可能性があります。
水漏れ修理	15,000～75,000円	配管接続部の緩みやタンク内部の劣化	軽微な水漏れなら早期対応で安く済みますが、放置するとタンク交換が必要になる場合もあります。保険適用の確認をおすすめします。
異音がする場合	20,000～35,000円	ファンやモーターの劣化	異音はモーターやファンの摩耗が原因です。定期的なメンテナンスが異音防止につながります。
ヒートポンプユニットの不調	35,000～170,000円	ユニット内部の故障	部品交換が必要な場合、費用が高額になる場合があるため、新品交換との比較検討が必要です。火災保険が適用されるケースもあります。
温度不安定	25,000～49,000円	温度制御システムの異常	安定しない温度が続く場合、交換を怠るとさらに深刻な故障に発展する恐れがあります。
湯量設定の不具合	24,000～51,000円	制御基板やセンサーの異常	迅速な対応で修理費用を抑えられることが多いため、異変を感じたら早めに業者に相談するのがよいでしょう。