エコキュートは効率的にお湯を沸かせるため、ランニングコストが安く一般家庭への普及も増加しています。
しかし、エコキュートを長く使用している家庭では、浴槽内に黒いカスが浮かぶようになったと悩みを持つ方もいるかもしれません。
実はエコキュートから出てくる黒いカスは、経年劣化や使用による汚れの蓄積が原因で発生します。
今回は、エコキュートの黒いカスの原因や対処法を紹介します。
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エコキュートの黒いカスの正体
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクの2つで構成されています。
簡単に仕組みを説明するとヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクに貯めておき、必要なときに使えます。
その後、貯湯タンク内の高温のお湯は、水を混ぜて設定温度になるように調整して給湯されます。
エコキュートから出る黒いカスは、エコキュートの故障から生じるものではないため安心してください。
しかし、原因を知ることで対策も立てやすくなります。
黒いカスの原因は4つありますので、それぞれ解説します。
部品(ゴムパッキン・ゴム管)の劣化
1つ目は、部品の劣化です。
エコキュートは、お湯を張るときに貯湯タンクから風呂配管を通じてお湯が流れ込みます。
配管内のゴム部品が劣化し、細かい粒になり湯船に混ざることがあります。
もし、黒いカスが粘着性が強く伸縮性がある場合は、ゴムパッキンやゴム管の劣化によって発生している恐れがあります。
掃除すれば綺麗になりますが、再び発生する恐れがあるため、早めの交換をおすすめします。
配管内の汚れ
2つ目は、配管内の汚れです。風呂配管の汚れは蓄積すると黒いカスに変わり、お湯に混ざります。
追い焚きやお湯張り時に黒いカスが出てくる場合は、配管内部の汚れを疑いましょう。
また、給湯器内でお湯を沸かした際に発生したススが混入する場合もあります。
ススが原因の場合は、湯沸かしを数回行えば出てこなくなることもありますが、それでも黒いカスが発生する場合は、メンテナンスをおすすめします。
銅配管のサビ
3つ目は、銅配管のサビです。
エコキュートの配管には、銅が使用されるケースが多く見受けられます。
銅配管は長期間の使用を続けると、腐食し『緑青(ろくしょう)』というサビが湯船に混じることがあります。
経年劣化が原因のため定期的なメンテナンスをしても、予防することは難しいでしょう。
最近ではステンレス製の配管を使用している機器もありサビが発生しにくいのが特徴ですが、銅配管を使用している場合は注意が必要です。
換気扇の汚れ
4つ目は、換気扇の汚れです。
換気扇が原因で引き起こす場合もあります。
換気扇の金属部分に水滴が付着して、サビに変化します。このサビが浴槽に浮かび、黒いカスのように見える恐れもあります。
または埃やカビが蓄積され、黒いカスとなって落下したことが原因の場合もあります。
エコキュート本体に原因が見当たらない場合は、換気扇も確認しましょう。
黒いカスが人体に与える影響に関して気になる方もいるでしょう。
エコキュートからの黒いカスは部品交換・修理のサイン
結論から言いますと、有害の可能性は低いと思われます。
エコキュートで沸かしたお湯は貯湯タンクで貯められるため、ゴミや雑菌が入り汚いイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし、貯湯タンク内は65~90℃のお湯を貯めています。
給湯する際は水道水で設定温度に調整してから給湯します。
人体に影響を与える雑菌のほとんどが、60~75℃以上で1~10分間加熱されると死滅すると言われているため、雑菌が繁殖することは少なく、黒いカスは有害を及ぼす可能性は少ないでしょう。
ここまで説明した通り、黒いカスは部品などの経年劣化によって生じる原因が多い傾向にあります。
エコキュートの寿命は約10~15年と言われています。
10年近く使用している機器は、全体的に劣化が進んでいる可能性が高く、 一部を修理しても別の箇所でトラブルが発生することも珍しくありません。
部品の交換だけではなく、エコキュート本体の交換も視野に入れ、検討してもよいでしょう。
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黒いカスの対処方法
ここまで、黒いカスの原因に関して説明しました。次に、黒いカスの対処方法を紹介します。
対処方法は以下の3つになります。
- 水抜き
- 配管洗浄
- 部品交換
対処方法を理解して、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
水抜き
貯湯タンクに溜まった沈殿物を除去するために、定期的に水抜きを行いましょう。
水抜きの手順は以下になります。
- 漏電遮断器をオフにする
- 給水止水栓(元栓)を閉じる
- 逃し弁を開ける
- 排水栓を開けて、1~2分間排水する
- 排水が完了したら、排水栓を閉じる
- 給水止水栓(元栓)を開け、水を出す
- 逃し弁のレバーを戻す
- 漏電遮断機をオンにする
- 蛇口から水とお湯が出ることを確認する
水抜きはエコキュートの熱交換の効率を維持できるため、機器への負担が軽減できエコキュートの長寿命化にも役立ちます。
配管洗浄
エコキュートの配管洗浄には、市販の配管用洗浄剤を使用して清掃するのがおすすめです。
しかし、使用できる洗浄剤は限定されているため、必ず取扱説明書を確認しましょう。
主要メーカーの日立では、ジョンソン株式会社製の『ジャバ(1つ穴用)』を推奨しています。
ジャバは、ぬるま湯や水に入れて追いだきボタンを押すだけで簡単に洗浄でき、雑菌を99%除菌します。
浴室の小物もつけ置き洗浄できるので便利です。
ジャバ以外の洗浄剤を使用する場合は、硫黄・酸・アルカリを含む洗浄剤の使用は避けるようにしましょう。
洗浄の頻度は最低でも年1回行ってください。
風呂配管を清潔に保つには、自動配管洗浄の機能も効果的なため交換時に検討しましょう。
部品交換
水抜きや配管洗浄を行っても改善されない場合は、部品の交換を専門業者やメーカーに依頼しましょう。
部品の劣化が原因の場合、掃除で黒いカスが発生しなくなることもありますが、経年劣化は止まることなく進行するため再発する恐れがあります。
ゴム部品の劣化は、自分で対処しても根本的な解決にならないため、部品交換が必要な場合は、業者に交換を依頼してください。
エコキュートの部品交換の費用は、1.5万円~10万円が費用の相場です。
修理内容によって費用が変動します。
黒いカスが解消しない場合は専門業者に相談する
今回は、エコキュートから出る黒いカスの原因と対処法について紹介しました。
ゴムパッキンなどの部品や配管の汚れ・サビによって発生することが多いでしょう。
紹介した水抜きや配管洗浄で解消される場合もありますが、それでも改善されない場合は、専門業者に相談しましょう。
毎日使う給湯だからこそ、早急に対処して快適な生活を送りましょう。