『エコキュートはランニングコストが安く、長い目で見るとお得』と聞いたことがある方もいるかもしれません。
毎月の光熱費の差額を考えると、導入コストを回収できるケースもありますが、場合によってはそれほどメリットを感じない可能性もあります。
今回は、エコキュートの導入シミュレーションや上手に節電するポイントを紹介します。
ぜひ、エコキュートの導入時に参考にしてください。
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エコキュート導入シミュレーション
エコキュートの導入コストは、どのくらいの期間で回収できるのか、ガス給湯器とエコジョーズの使用を想定してシミュレーションしました。
シミュレーションの条件は以下になります。
- 家庭人数:4人
- 電力会社:東京電力
- エコキュートの導入コスト: 60万円
従来型ガス給湯器(LPガス)
最初に、従来型ガス給湯器(LPガス)の場合をシミュレーションしてみます。
従来型ガス給湯器(LPガス) | 159,300円 |
エコキュート | 35,500円 |
差額 | 123,800円 |
光熱費が年間約123,800円お得になります。
導入コストの回収までには、600,000円÷123,800円=4年9ヶ月かかります。
光熱費が大きく削減できるので、導入を検討しても良いかもしれません。
従来型ガス給湯器(都市ガス)
次に、従来型ガス給湯器(都市ガス)の場合です。
従来型ガス給湯器(都市ガス) | 90,000円 |
エコキュート | 35,500円 |
差額 | 54,500円 |
光熱費が年間約54,500円お得になります。
導入コストの回収までには、600,000円÷54,500円=11年かかります。
LPガスよりも回収期間が長期化した理由として、エコキュート導入前の光熱費がLPガスの方が高く、差額が大きいことが挙げられます。
エコジョーズ(LPガス)
エコジョーズ・LPガス利用の場合は以下になります。
エコジョーズ(LPガス) | 133,800円 |
エコキュート | 35,500円 |
差額 | 98,300円 |
光熱費が年間約98,300円お得になります。
導入コストの回収までには、600,000円÷98,300円=6年2ヶ月かかります。
エコジョーズ導入の効果があり、ガス給湯器に比べて年間光熱費が安い分、回収に長く時間がかかるでしょう。
エコジョーズ(都市ガス)
最後に、エコジョーズ・都市ガス利用の場合です。
エコジョーズ(都市ガス) | 73,300円 |
エコキュート | 35,500円 |
差額 | 37,800円 |
光熱費が年間約37,800円お得になります。
導入コストの回収までには、600,000円÷37,800円=15年9ヶ月かかります。
LPガス同様、年間光熱費がガス給湯器と比べると安いため、回収期間も長期化します。
エコキュートの寿命が約10年、長くても約15年と言われているので、導入コストの回収前に本体の買い替え時期が来てしまう可能性があり、元を取ることは難しいかもしれません。
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エコキュートは5年~16年で元がとれる
前章で、エコキュート導入時の価格シミュレーションの結果、初期コストの回収には約5~16年かかります。機器本体の買い替え時期を考えた場合、利用条件によってはメリットが得られない恐れもあります。
光熱費の差額分を基準とした考えだけでなく、補助金を利用して導入コストを抑える方法もあります。
住宅省エネ2024キャンペーン『給湯省エネ2024事業』が国の制度として開始されています。
性能要件を満たした補助対象製品が対象ですが、エコキュートの導入時に最大13万円が補助されます。
この補助金によりエコキュートの導入コストを抑えられます。
補助金は導入する製品により8万円から段階的に上がりますが、元を取るまでの期間が短くなるので効果があります。
最近の電気代高騰で元がとれるまでの期間は長くなった
直近、5年間の電気代の推移を見てみると、2021年から上昇傾向です。
ロシアのウクライナ侵攻によるロシア産資源の禁輸措置や、新興国のエネルギー需要の高まりなど、2022年に様々な理由で燃料価格の高騰が背景としてあります。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価上昇も関係しています。
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギー(太陽光や風力)により生み出された電気を電力会社が買い取るもので、消費者が買取費用を電気料金の一部として負担する料金です。
単価が2021年度から大幅に上昇しており、2022年度まで毎年上がり続けていました。
2023年になって初めて減額しましたが、今後も単価の推移が気になります。
早くエコキュートの元をとるポイント
エコキュートの導入コストが想定していた回収期間よりも長いと感じた方は、節電することで毎月の光熱費を削減できます。
ここでは、エコキュートを上手に節電するポイントを紹介します。
不在時は沸き上げ休止モードを使用する
旅行など長期間不在の場合は、沸き上げ休止モードを使用すると、無駄な沸き上げを停止でき節電につながります。
追い焚きではなく、足し湯を利用する
追い焚きは、タンク内のお湯の熱を利用して浴槽のぬるくなったお湯を温めるので、タンク内の熱の温度が下がり、余計な電気代がかかります。
しかし、足し湯はタンク内の熱いお湯を使用するので、無駄な電気代を削減できます。
昼間にあまりお湯を使用しない場合は、昼間休止設定に変更する
今日はもうお湯を使わない日は、昼間休止設定に変更しましょう。
夜間まで沸き上げを停止して節電します。
湯量の設定をおまかせモードにする
おまかせモードは、普段の使用量の平均から自動で最適な湯量を計算します。
また、『おまかせ少なめ』や『節約モード』は、必要最低限の湯量を計算してお湯を沸かせます。
浴槽の蓋を利用する
お湯を沸かす場合や入浴していない場合は、浴槽のお湯が冷めないように蓋をしましょう。
保温機能が働いていると、自動でお湯を温める機能が作動します。
浴槽の蓋を利用して、お湯の温度を下げないことで保温運転の回数が減少します。
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エコキュートを賢く使ってなるべく早く元をとりましょう
今回は、エコキュートの導入コストの回収について紹介しました。
導入コストの回収を考える際には、どのくらいの期間で回収できるのかシミュレーションしてから購入しましょう。
エコキュートは、毎月の光熱費が安くなるだけではなく、環境にやさしく・タンクの水を非常時に活用できるメリットもあります。
製品の特徴を理解して、上手に導入しましょう。
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